ボート競技というのは、要は
①船を止めない
②船を進める
の二つを競う競技です
船を進める力を上げるためには、ある程度のトレーニング期間が必要なので、
あと1ヶ月ちょっとで引退の選手がいる中では、
①「船を止めない」を主に関われたらと思っています。
思うに、「ボートを止めない」人ほど、
ボートが好きです。
逆に、止めては加速、止めては加速を繰り返す人ほど、
船は重いし、体が強くなればなるほど船を止める力も強くなるので、
全然ボートが楽しくなりません。
13年間ぐらい、ボートやってて、本当に最後の何年かに、
止めないように漕ぐことが大事ということに気付いて、
それで、
「ああ、ボートって道具使って漕ぐし、
そもそも移動しているものを加速させるだけだから、そんなに重いわけないよね」
って気づくことができて、
漕いだ分進むようになってる度合いが増えて、その分好きになったように思う。
頑張った分だけ、重くなる、そんな競技を誰にも好きにならない。
頑張った分だけ、進む、そんな競技、そりゃ好きになる。
だから、もうすぐ引退する学生には、
せっかくこの日本で、このボートという競技に知り合ったのだから、
好きになって欲しい。
だからこそ、船を止めない、
漕いだ分だけ進む、そんな技術を手に入れて、卒業して欲しい、
そんな想いから、技術的なことばかり言っています。
(ちなみにボートは船を進めること、気合と根性が最も大事だと思っているので、
技術的な話は、そうした気合と根性を減らす原因にもなりうるので、今の時期だかこそかもしれません)
船を止める原因は
ブレードを水に入れる前に、船を押すことです。
それが一番船が止まります。
それを無くしたい。少なくとも普段話を聞いてくれている学生からは。
それをなくすには、グリップ、ブレード、どちらでもいいですが、
ずっと循環していなければなりません。
ランニング、バイク、水泳、移動する競技全部、循環を滑らかにすることが重要な競技です。
ボートの場合、
エントリーとリリースでいかに止まらないか、突き詰めればそこが技術の多くを占めていると思っています。
リリースで途切れない、
エントリーで途切れない、
途切れるところが1漕ぎに2回ある中で、
上手く循環を感じれるようになれば、
船は止まりにくくなります。
逆に船を重く感じてしまう時は、
前で止まって、後ろでも止まって、
そんなリズムを繰り返します。
リズムの良い漕ぎ、というのは循環している漕ぎであり、
見てて規則正しく、何かの指揮をしているかのように見えます。
エントリーで途切れないために、
オールの重さを使って、入れること。
フォワードのスピードのまま、
グリップの移動に釣られるまま、そのまま入水に行くこと。
置いてくる、自ら入れる、さくっと入れる、パクッと入れる、
いろんな表現がありますが、
要は入水までグリップを止めるな、途切れるな、
そういう意味だと思います。
リリースで途切れないためには、
フェザーターンで、循環を止めないこと、
腰がゴロンと寝て、戻ってこれなくならないようにすること、
などがあります。
途切れないエントリー、リリース、どちらも難しいですが、
圧倒的にエントリーが難しいので、
エントリーで止まる時間をなくすために、
リリースでわざと止めて、時間的余裕をなくすクルーもあります。
よく船を感じろ、といいますが、
大学から始めたせいか、あんまり船を感じられたことがありません。
ああ、軽かったな、重かったな、
そういうグリップを通しての負荷、筋疲労ぐらいしか、自信を持って感じられなかったので、
グリップをぐるぐるグルグルとはいかないまでも
動かし続けること、
そんなことを伝えています。
次は、人間の動きの話。
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