ボートという競技は「与えられた環境の中でいかにベストを出すか」ということを考えがちだ。
「この古い船、予算内で勝つにはどうしたらいいか」
「このクルーで勝つにはどうしたらいいか」
「この種目で勝つにはどうしたらいいか」
という、与えられた条件の中で如何に善戦するか考えることが多い。
逆に、与えられた条件を変えようとする行為、つまり
「最新の船を買えれば勝てるのに」や、
「この大学の授業がもっとこうだったら勝てるのに」
「クルーがもっとこうだったら勝てるのに」という
勝てない理由を前提条件のせいにする言葉は
「甘え」「人のせいにすんな」として否定されることが多い。
勝てないのはどんな条件下であっても全て「自分のせい」、
自分が良くなれば、その条件下でも勝つことができる。
そう思うことこそがスポーツマンシップであり、それが唯一で正しい考え方だと思っていた。
だからそういった「甘え」が事実かどうかについて、今まで深く考えてこなかった。
だが、もし。
もし。
全て周りのせいにして良いとして、
全ての自分の思う勝つための理想環境が整うとして、
100%勝つためにはどうなれば良いか。
前提条件が全て最高なときに
100%勝つためには、どう歩んで行けばいいか。
それが見つかれば、また違う発想で物事に取り組めるのじゃないのか。
例えば、
「国立大学が日本一になるにはどうすればいいか?」
この問いは全ての国立大生の悩みであり、最大問題だと思う。
それを解くために普通は
「みんな受験勉強で体が弱ってるから、誰よりも効率的な練習をたくさん積み重ねる」
ことが答えだとして、効率的な練習の蓄積が目標となる。
だが
「みんな推薦で、高校日本一の選手が自分たちの団体に入れば、日本一になれるか」
と考えたとき、それでも100%にはならないと思うんじゃないか。
つまり他に要素はあるということだ。
「何があったら叶うのか」
「全てあったら叶うのか」
その問いはとてつもなく重要だ。
「金がないから負ける」「勝った経験がないから負ける」
負ける理由はたくさんある。
でもその今思いつく負ける理由たちが全部なくなれば
絶対勝てるのか。
まず「これがなくなれば絶対勝てる」という今負けている理由を見つけ、
それを一番に消化に当たるのが、
レース当日までに一番することであり、「効率的な練習の蓄積」とは
一味違った部活動が行われるんじゃないかと思う。
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