ローイングのテクニックというと、
おそらく他の競技と比べればだいぶ単純で明快で、
①一番前でオールを入れましょうね、
②入れるだけじゃなく、体と船と水が最初からしっかり繋がってましょうね、
③真っ直ぐ横に進行方向に、
船と自分ができるだけ一緒に動くように動かしましょうね、
④最後の最後まで動かしてから、オールを抜きましょうね、
⑤また漕ぎ始められるように準備しましょうね。
ぐらいだ。きっと。
⑤また漕ぎ始められるように準備しましょうね、
については、
だいぶ10人中9人は、
「なるほど!」と体感してくれるようになったように思う。
エルゴの上で重りを持ってセットしてもらったり、
重りを持ってドライブしてもらったり、
振り返りながらエルゴを漕げば、だいぶ高確率でうまくいく。
①一番前でオールを入れましょうね、
②入れるだけじゃなく、体と船と水が最初からしっかり繋がってましょうね、
はほとんど同じ話なので、まとめてもいいかもしれないけれど、
今のところ、
ウェイトトレーニングで脇を締める感覚を身につける
ひたすらエントリーチャボを繰り返す、が思い付いている。
そのエントリーチャボもただ入れるのではなくて、
水と繋がるところまで。
要は数字の「1」のような縦の往復運動ではなくて、
「0」のような縦長の円運動を伴うエントリーチャボを
シートスライドを使わず、
上半身も開かず、
腕だけ、肩甲骨のわずかな動きだけでできるかどうか。
大体の選手が、
オールを入れる、落とす、放り投げる、刺す、ぶち込む、
いろんな表現があるけど、それをしないでボートを漕ぐ。
要は「いつの間にか」入っているという中でボートを漕ぐ。
これでは進まないし、重いし、楽しくない。
オールを水の中に入れないと船を進めることができないということを、
非常に単純なんだけどそれが難しい競技。
オールをうまく扱えるようになると上手く漕げるようになる。
そのためには、自分のブレードの先っぽが今どこの高さにあって、
どの位置にあって、どういう状況なのか、
見ないでもわかるようにしないといけない。
それが非常に想像力がいる。時間がかかる。
それか教え方が悪い。
③船と一緒に動くというのは、
バックローを永遠に繰り返して貰えば、
わかってくれる選手が多い。要はお腹、腹にくるかどうか。
何故か知らないが、バックローは誰もが上手にできる。
めっちゃお腹にくるし、ロスなく船を進めているという感覚が
体感しやすい。
だからバックローして、ローして
を繰り返していくとローがいかにロスまみれだったかが体感しやすい。
多分④最後の最後まで動かしてから、オールを抜きましょうね、
が一番難しく、
これができればボートがめちゃくちゃ楽しくなる。
乗り物は楽しい。
自分の力を拡張してくれる。
自転車にしろ、車にしろ、
アクセルを踏むだけで、とんでもなくすすむ。
だが、アクセルとブレーキを定期的に繰り返し踏まなければいけない車だったら
面白くないと思う。
ボートの下手な状態はそんな感じ。
ドライブして、ドライブ最後に減速して、抜く。
そんな状態から、ドライブし続けてそのまま抜ければ相当楽しいのは当たり前。
自分は現役ラスト2年ぐらいでやっとボートが楽しくなった。
リリースの向上。
いかにわかりやすく伝えるか。
それが今後のずっと続く課題。
コーチがいないことが長かったから、
それが今生きているように思う。
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