ローイングにおいて、当たり前のようにフェザーターン、オールを返す動作をします。
スイープだったら、「インハンドで返そう」、ということは大学時代習いましたが、
右手にしろ、左手にしろ、「どうやって返すか」ということについて教えてもらった記憶はなく、
それは社会人でもJAPANでももちろん、私も誰もそんな発想はありませんでした。
知っていて当然だから、言われなかったのかもしれないし、
そんなに重要でないから、言われなかったのかもしれない、
現に自分はそこまで重要だと思わなかったので、
13年中の12年ぐらいは何も考えずただただオールを返していました。
「ボートを速くする」上でいろんな要素がある中で、
諸外国と比べて確かにエルゴはずいぶん負けているけど、
ただ、どう頑張っても、技術の面でさえも上手に漕げているようには
感じませんでした。
何が違うのか、訳もわからず、縁を頂いたスロベニアに行き、
短期間ではありましたが、ローイングの考え方を知り、
その考え方を突き詰めていくと必ずフェザーターンを変更する必要がありました。
基本的に人見知りなので、スロベニアに行って、
めちゃくちゃ熱心に質問したかといえば、そういうわけではないのですが、
以下、感じてる日本と海外の違いです。勝手にスロベニア=海外としていますが、
基本的なものはあまり変わらないと仮定して、書いています。
水中の全体の強さを求める外国、
前から強くを求める日本。
繋がることを意識する外国、
強く押すことを意識する日本。
(今日の話)
押しながらフェザーターンする外国、
引きながらフェザーターンをする日本。
フェザーターンについて。
雑な絵になりますが、
違いについて、書いてみました。
引きながら返すフェザーターンでは、
水を押している時間が減ります。結果、加速仕切れません。
そして、
引きながら返すと、その力は水に伝わらないので、(オールが水に垂直じゃないので)
その分空回りの出力となって、船と離れることになります。
船と離れると、追加で頑張ってフォワードしなければならないので、
休めず、疲れやすくなります。
さらに頑張ったフォワードは必ずエントリータイミングがずれるので、
大きく踏み込み、船を止めてエントリーしてしまいます。
フェザーターンひとつ間違えるだけで、
加速の時間が減るだけでなく、
休憩の時間も減る、船も止めるという三重苦を迎えることになります。
UTの時は、船とどれだけ離れていても、ゆっくり戻ればいいので
どうフェザーターンをしようが疲れ具合は感じにくいですが、
ハイレートになればなるほど、戻ることが難しくなり、
ハイレートでは全く別の漕ぎをすることになります。
それが私でした。
同じ艇速でも、
水中の時間が長くなればなるほど、
体にかかる負荷は軽くなります。自転車のギアが大きいほど軽いように、
長く押せば押すほど、押す力の最大は小さくてすみます。
逆に短い時間で同じスピードを出そうとすると、
かなり大きな力を出さねばなりません。
怪我をしやすくなるかもしれません。
また、前述したように空回りが減れば減るほど、
より休めるようになり、持久力が上がります。
何より、ボートが好きになります。
漕いだ分だけ進めば、ボートを好きになります。
逆に漕いでも重いだけ、練習はあと2時間ある、
そんな状態で好きになれと言っても難しいでしょう。
正しい方向性を持って、練習をすれば必ず上達するのがボート競技です。
私の言う方向性が、1人でも楽しい冬のローイングに貢献できれば幸いです。
(リリースのフェザーターンのみの話をしましたが、エントリーのフェザーターンについては、
日本での通説とは逆に、できるだけ遅い方が良いように思います。
勝つクルーほど、どこのチームかブレードでは中々確認させてくれません。
逆に、どこのチームかわかりやすいブレード捌きのチームは、あまり速くないことが多いです)
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