すべて書いてしまおうシリーズ④ハイト、ハイト差
ハイトをいかにリギングするか。
そもそもハイトは船によって変わる。
おそらく船によって浮き方が違うので、
この船はハイトちょっと高めにしたほうがいい、
低めにしたほうがいい、というようなことが海外遠征で船が変わったり、国体で変わったりするとよくある。
だから大会直前に船を変えるときに気をつけたいポイントでもある。
なので、身長や座高が何cmだからハイトがどれくらいがいいとかはわからない。
あの人が乗ってた船で、あの人の身長がどれくらいで、あの人の漕ぎよりもこう漕ぎたい、というような比較ができて初めて、身長換算ができるかもしれない程度。
基本的な考え方としては、
ハイトを上げすぎると肩が上がりやすくなる。
肩を上げてするスポーツはない。
むしろできるだけ肩を落とすことが上達の道と説くスポーツが大半。
なのでボートにおいても肩をいかに落とすか、上げないかが大きな技術の差になる。
その点でいうと、ハイトは低い方が肩が上がりづらい。
高い方が上がりやすい。なので低めの方がいいことになる。
だが、低い方が、次はバランスの問題に当たる。
ハイトが低いと、ブレードと水面との距離が近くなるので、
水とすりやすくやる。結果リラックスしてフォワードできず、
結果肩が上がる。
ラフコンで肩が上がりやすくなるように、
バランスが悪いとその分肩が上がりやすくなる。
低いハイトはそれを助長させる。
高めの方が基本的には漕ぎやすい。
なので、とりあえず肩が上がらない範囲のハイトにリギングする。
「ハイト差」について
スカルにおいて、必ず手が交差する瞬間があり、
そのせいで多くのスカラーの右拳が血だらけになる。
血だらけになる理由は、左手の爪でひっかくからだが、
それを防ぐためには、
A そもそも交差しても引っ掻かないようにハイト差をつける、
もしくは
B左手を右手よりも前にして交差させる、
もしくは、
Cストサイ側に船を傾ける。
がある。
Aは大体ハイト差が2.5cm〜3cmぐらいと言われる。
交差しても、爪が当たりにくいので、ボクサーだと勘違いされなくなる。
ただエントリー時やリリース時にもその差を維持して漕がなければいけなくなるので、
エントリー時やリリース時が不安定になりやすい。バランスが取りにくくなる。
ハイト差が大きければ大きいほど、不安定になりやすい。
不安定になってしまったがために、バウサイ側が落ちたままドライブすると、
せっかくつけたハイト差が無意味となり、
晴れてボクサーに舞い戻る、右こぶしが血だらけになることになるので、
ハイト差が大きければ大きいほどいいわけでもない。
B 左手を右手よりも前にして交差させる。
こぶし一個分、左手を右手よりも遅らせる、
こぶし一個分の前後差がついたペアだと思って漕ぐ。
そうすれば、交差してもこぶし同士が当たらず、血だらけにならず、快適に漕げる。
だが、普通に聞いただけでも習得が難しい。
要は左肩がこぶし一個分右肩より前に出た状態でエントリーする、
もしくはエントリー時は左右一緒だが、ドライブの段階で、右手が早く終わるようにする。
どちらも難しいが、後者の方が難しく、レースになるとそんなこと考えてられなくなるので、
基本的には、手を伸ばしたらもう無意識に左手がこぶし一個分前にあるという状態に
体を作っていく。
ただこのこぶし一個分というのは、ハイト差0の場合で、
こぶし半個分であれば1cmぐらいのハイト差で可能な気がする(重要。気がする)
C ドライブ中にストサイに傾ける。
ドライブ中、特に交差する時にストサイに傾けることによって、
船の傾きによってハイト差をつけて
こぶしが当たらないようにする。
これはあまりにも無自覚であり、実際みんなやってるかもしれないし、
特定の人だけがやっているのかもしれない。
この場合、ハイト差が何cmだという質問、答えはかなり意味のないものになる。
自分の場合おそらくこれをやっていて、
ダブルやクォードに乗ると、シングルの時と比べて船が傾かないので、
晴れてこぶしがズタズタになる。
ただこれは一緒に乗った人との兼ね合いもあり、船が変わったせいだとは一概に言えないが、
誰と乗ってもクルーボートは特にズタズタになる人は
シングルにおいて傾けて漕いでいる可能性が高い。
傾けて漕ぐことが、良いか悪いかはわからないし、
そこまで非効率とも思えないが、そういう事実、漕ぎがあるということを
知っておくだけでも意味のあるものだと思う。
<まとめ>
ハイト差は高すぎない程度に。
クルーボートだと安定するのでまた変わる。
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