ボートにおいて、「頑張る」とはなんだろうと思い、
書きました。
なぜ頑張るか、は単純にボートをより速く進めさせたいからです。
じゃあ実際ボートをより速く進められるようにするには
どう頑張ればいいのか、どう力を発揮すればいいのか。
そういう話を、以下にしたいと思っています。
そもそもボート競技は、
加速と減速が重要なキーワードになる競技であり、
より速く船を進めるためには、
いかに加速させるかだけではなくて、
いかに減速させずに、加速だけを増やすかが、非常に重要なスポーツだと思っています。
なので、一般的に言われる「頑張る」という言葉には
「加速」にだけ、ほとんど重きが置かれているので、
ボート競技で船を進めるために「頑張る」という言葉を使う場合には、
「減速させずに加速だけさせること」が「頑張る」であることを
より意識しないといけません。
繊細に、頑張る。という感じでしょうか。
とは言え、どんなに無闇にアクセルを踏んでも、
漕いだ結果逆走することはないので、
ただただ「頑張る」で、船は速くなります。
けれども、それは一瞬な加速で終わることが多く、
ラストスパートだけならまだしも、
まだ長い距離が残っている場合になると、ブレーキを踏みながらのアクセルは
大変に疲れ、結果そこまで全体のタイムが上がらずに終わってしまいます。
(大体の減速行為は、ピッチングという船の上下運動に現れます。)
減速を減らすために。
減速するかしないかは、
以前のブログでも書いたように
自分自身の出力の仕方にあり、
自分の出力が、空回りした分だけ、水に伝わらなかった分だけ、
はみ出した分だけ、減速します。船が止まり、重くなります。
空回りする場所は、①エントリーと、②リリースの2つであり
①エントリーする前に、出力すると船は止まります。
エントリーそのものの遅れだったり、セットの遅れだったりが原因で、
船を止めることになり、結果、止まった船を加速することになるので、前が重い、と感じるようになる。
動いている船を重いと感じることはそもそもおかしいことですし、
レートが上がれば上がるほどスピードが上がる分軽く感じるのが普通です。レートを上げて重く感じれば、多くが船を止めていることが原因になります。
②リリースした後にも出力が続く、下に引くと、その分体と船が離れて、フォワードが人工的になり減速します。
またブレードを勢いよく抜いたときに、大きな音が鳴り、また船も沈んで減速します。
よって、減速させないという意味で「頑張る」とは、つまり、
エントリーで蹴り戻らない、リリースで引っこ抜かない、ということになります。
(以上は、今までの繰り返しになります。すみません)
以下は書いていなかったこと。
いかに加速するか。
よく「頑張る」というと、
一瞬の頑張りを意味しているように思います。
ギュン!とか、ドン!とかそういう擬音語になりそうな、
一瞬の加速です。
ただ、思うに、本当に進む進め方というのは、
エントリーからリリースまで、
長く長く押し続けることです。
グリップに同じ圧がエントリーからリリースまでかかり続けること。
その時間の長さ、均等さが重要だと思っています。
エントリー直後だけ、思いっきり押したり、
ミドルだけ頑張ったり、
リリースだけ腕ひきを頑張っても、速く漕げません。
ずーっとずーっと満遍なく繋がり続けることが重要です。
エントリーからリリースまで一気に加速させられればいいのですが、
意外に水中にいる時間は長いので、
中々一気にとはいけません。
棒高跳びほど、しなっている時間は長くないですが、
走り高飛びのような一瞬の瞬発でもありません。
エルゴで5:30ぐらいの人たちが乗っているであろう
体格のエイトを見ても、ドライブしている時間は長いです。
基本的に力の競技なので、本当にパワーのある選手、大きい選手は押す時間が短くても素晴らしいスピードが出ますが、
小柄な選手が勝負するためには、できるだけ一瞬の頑張りドライブではなく、長く押さないと勝機はありません。
いかに加速するかは、
いかに長く押すかにつきます。
だから結局、
減速を最大限減らすためにすることにおいても、
加速を最大限増やすことにおいても、
戻らないエントリー、引っこ抜かないリリースを極めていく
要は長く漕ぐことが、技術の、「頑張る」ことの、大きなウェイトを占めることになります。
ボート初心者の方に伝えることの多い、
「大きく長く漕ぎましょう」
は、かなり本質的なアドバイスなのだと思っています。
一番上手なローイングとは、
水にいる時間が長く(戻り、引っこ抜きが少ない)、
空中にいる時間が短い(レートが高い)、
こと。
そのために、滑らかなフェザーターンや、リリース、セット、エントリーなどの技術を学びます。
よって、ボートにおいて「頑張る」とは、
「長く漕ぎましょう」、そして「レートを出しましょう」、
という、相反するような二つを組み込め、
ということになると思います。
結局どちらかを犠牲にすることが多いのですが、
そこを何とか両立させること。
以上、かなり長文になってしまいましたが、
頑張る=row long
という話でした。
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