来月3月に行われる五輪選考(日本代表選考)では、必ず裁判沙汰になると思っています。
理由は、
体重制限しなきゃいけない軽量級の選手と、オープン(無差別級)の選手が、混ざって同じ選考レースに出場するから。
ボクシングに例えると、ミドル級とヘビー級を混在したトーナメントで、最終的に「あなたはミドル級では何位でした。」「ヘビー級では何位でした」という評価をする。
これでは予選や準決勝で、誰に当たるか、組み合わせがかなり影響を与え、正確な順位がつかない可能性が高いです。
24人しか出られない大会なので、ヘビー級がいなければこの大会に出場できた選手、
出場した選手の中でも、ヘビー級に当たらなければ、準決勝にいけた、決勝にいけた、
体重制限しなければ、絶対に勝てた、
そういう選手が必ず生まれる選考になっています。
そして、その混在レースの優勝者には「オリンピックの開催国枠(体重制限なしの種目)」が得られます。
だから軽量級の選手が「オリンピックの開催国枠(体重制限なしの種目)」を獲得するには、減量して、減量する必要のないヘビー級の選手に勝たなければなりません。
これってスポーツでしょうか。
体格差が大きな影響を生むから、体重による階級制がボート競技にあるのに、
体重制限のある選手と、無い選手が、予選、準決勝、決勝進出、優勝に向けてレースをする。
でかい人は大体強いのが、ボート競技。
小さい選手でも活躍できる場を、ということで軽量級という種目があるのがボート競技です。
もし、ヘビー級の選手のせいで、決勝に行けなかった、と軽量級の選手が裁判を起こした場合、絶対に不公平だと判断が下されると思うのは自分だけでしょうか。
(発表はされてませんが、この順位が世界選手権派遣の際の順位になる可能性が高いので、多くの選手のキャリアにとっても、かなり重要な順位になります。)
この大会で選ばれた軽量級の上位最大四人の選手が、次の選考(4人から2人になる選考)に進みますが、
それも裁判になる可能性が非常に高いものとなっています。
の最後の②でも書きましたが、
「そもそもどんなレースをするのか、何回するのか事前に決まっていない」「コーチが合理的と判断するレースを何回か行う」
ため、もし落ちた選手が、なぜ合理的だったのか納得できない場合、これも裁判になる可能性が高いと思っています。
軽量級の選手の順位をつけるのに、ヘビー級の選手はいらない。
ヘビー級の選手の順位をつけるのに、軽量級の選手はいらない。
そして、スポーツとは
あらかじめどんなルールか決まっていて、
そのルールは参加者全てに平等。
そして、どうしたら勝ちなのか予め決まっている。
その勝ちに向かって日々努力を重ねるのが選手だと思っています。
「ボート競技のオリンピック選考は、スポーツじゃない。」
そう思うのは私だけでしょうか。
選考要綱↓抜粋
多くの軽量級の選手は、「世界を目指すに当たって、どんな大きな選手だろうと日本人に負けててはだめだ」という信念のもと、声を上げず、日々トレーニングに臨んでいます。
ヘビー級の選手が声を出すことはこのルールではあまりないでしょう。
声を上げるのは私のような、ビビリだけです。
それをビビる自分が悪いのか、弱いからビビってる、だからこんな文章を書くんだろっていう、葛藤、批判もあるでしょう。
みなさんの意見を聞きたいです。
東京オリンピックという大きな舞台がかかっているのに、
そもそも選考方法がこんなにも杜撰でいいのでしょうか。
ボート関係者が読んでも日本語なのか理解できない選考要綱でいいのでしょうか。
(選考要綱全文)
https://www.jara.or.jp/kyoka/2019/(2019-206)2020TokyoOlympicGamesSelectionPolicy-Ver.2(1216).pdf
2012年のロンドン五輪選考も裁判になり、
2016年も曖昧な評価で涙を飲んだ選手もいて、
2020年、またやるのでしょうか。
誰か、日本ボート協会を止めてくれないでしょうか。
正々堂々戦って、
勝った選手は、全ての選手に応援されて五輪に臨む。
負けた選手は、勝った選手を心から応援する。
それができるようにするには、明確な選考が必要なのです。
未来のボート界にとっても、変に選ばれた選手は居づらくなるだけです。変に落とされた選手は好きだったボートを憎むだけです。
誰か、日本ボート協会を止めてくれないでしょうか。
私がスポーツ仲裁機構などに訴えるしかないでしょうか。
中野紘志 リオ五輪ボート日本代表
コメント
もう来月3月に迫っているのなら、選考会に出場する現役のスポーツ選手がやるべきことを1つです。
レースが終わるまで、選考会の方法の問題など、頭の中から追い出すことです。怒りや不満の気持ちを静めてください。冷静に、自分の練習とコンディション作りに心を集中して、当日にどんな状況におかれても、最大限に自分のパフォーマンスを最大限に発揮して、1レースでも多く勝利できるように準備をすることです。
どんな団体・大会においても、必ず不公平なこと・不運なこと・正義と異なる判断がくださえることがあります。それに心を惑わされては負けです。
もちろん、不公平な選考方法は大きな問題です。誰かが問題を提起して、正されるべきです。しかし、それは、大会を控えた選手が時間を割くべきことではないと思います。オリンピック予選を控えている選手にそんな余裕があるはずがありません。もしも、代理人や弁護士になってくれる人や応援者がいる場合は、その人に、協会、マスコミ、スポーツ仲裁をなどをまかせて、選手本人は大会が終わるまでは、レースに集中するべきです。ご検討をお祈りします。
ご心配かけてすみません。
最悪なのは、3月選考後に仲裁裁判になり、選考レースが無効、再レース、アジア予選までに日本代表が決まらない、もしくはダブルでの練習が本当に少なくなる事だと思っています。
そして、そう感じる選手は、不当なレースを訴える権利がありながらも、我慢して、アジア予選のために訴えるのをやめるかもしれません。
すべてはこの選考を作ったコーチ、承認した理事会であるのに、選手がそのけつを拭かなければならない。
その状況が想像できたので、今のうちに皆さんに気づいてもらえればと思いました。
もうある程度役割を果たしたと思っているので、あとは現役でない関係者の方のお力をお借りできればと思います。
日本ボート協会は、それでも変わらないと思いますが、あきらめないで頂けると助かります。