リギング②ピンヒル(その1)

すべて書いてしまおうシリーズ②ピンヒル(ピントゥーヒール)

おそらくリギングの中で最も影響を与えるのではないかと思われるピンヒル。

これの決め方は容易なのだが、難しい。

 

ピンヒルの変えると何が変わるかというと、

オールの振り角が変わる。それだけ。

(リリースの時のグリップの位置、どれだけ腹に当たるかも変わるけどここでは割愛。その2で)

ピンヒルを長くすればするほど、エントリーの時にブレードがより船のトップ側に近づく。

短くすればするほど、リリース時に船のスタン側により近づく。

 

物理的には、船はブレードがクラッチの真横にある時が

一番効率的に進む。(真後ろに押せるのはこの時だけ)

なので、クラッチの真横から漕ぐ範囲を前後に広げていって、

スカルなら−45度〜+45度

ぐらいで漕ぐのがきっと一番効率的。

だけど、実際はエントリーの時に多かれ少なかれ

ブレードが戻って入水してしまう&入水した瞬間から漕げないことが多いので

前を少し長めにとって、

ー45度〜+60度ぐらいで漕ぐのがいいのではないかと思っている。

スイープはもっと幅が狭い。−30度+30度、実際は+60度ぐらい(スイープの方がブレードが大きく入水しにくい)

なので、スイープの方がピンヒルが長くなることが多い。

 

以上のような考え方でピンヒルを調節する。

でも実際どれが45度か、60度かというのは見てもわからないし、微々たる違いなので、

結局感覚になってしまう。

決め方が容易なのに難しい、というのはそのため。

 

普通に漕いだら目標とする振り角よりも大きく漕いでしまう、逆に小さく漕いでしまう

というような体格が大きな選手、小さな選手は、

オールのインボードを長くしたり短くしたり、

スパンを短くしたり長くしたりして調節する。

クルーボートで体格差が著しい時などは特に。

 

ピンヒルを長くすればするほど、

エントリー時の効率が悪くなるので、すごく重く感じるが

リリース時には効率が良いので、軽く感じる。

逆にピンヒルを短くすると、

エントリー時の効率が上がるので、すごく軽く感じる。

リリース時には効率が悪いので、重く感じる。

 

前が重そう、実際重い人は、ピンヒルを短くしたほうがいい。

実際日本人の多くは前が重い人が多く、

前が重いからボートがきつい、

ボートがきついからボートが嫌いになっていくことが多いように思うので、

ピンヒルを短くしたほうが「もう一漕ぎしてもいいかな、ボート続けようかな」と思うようになる。

ただ、ピンヒルを短くすると、前がその分かかりにくくなるので、

前から押すことが難しくなる。漕いでる感覚が少なくなるので物足りないという人もいる。

また、ブレードの入水角が流れに垂直になればなるほど水に弾かれやすいので、

入水そのものも難しくなる。

スイープで水に弾かれてなかなかエントリーできないという人は

ピンヒルを長めにしたほうがいいかもしれない。

 

<まとめ>

とりあえず振り角を見る。

見てもよくわからないので

基本的な考え方を踏まえた上で感覚で決める。

 

4 件のコメント

  • 質問させてください。
    以前、中野さんは、下手なバタフライと無理ないスムースなクロールの違いについて、
    下手なバタフライ=エントリー(キャッチ)で力んでいるorキャッチで重く感じる(重い水中を頑張って打ち勝とうとする)➡水中を重く感じる段階で艇を止めている
    というような内容を述べられていたかと記憶しています。

    ですが、UTやATより高強度のメニュ(SR40のMAX30本漕等)を行う際には
    [パワーを出せば出すほど、どうしても水中は比例的に重く感じ]ていきます。
    なお、このとき、自分はUTやAT時と同様にリラックスした状態はキープしているつもりです。
    こうしたMAX強度トレーニングで、水中を重く感じていくのはナンセンスなのでしょうか?
    それとも、仕方のないことでしょうか?

    もし、MAX強度トレーニングでも水中を重く感じてはいけないとすれば、
    これは、ピントゥヒールの位置やリガースプレッド、オール全長等の調節によって、解決するべきでしょうか?
    なお、自分は、日本人の男子としては、常識的なリギング値に設定して漕いでいます。
    例 スパン159センチ オール全長286センチ インボード88センチ ピントゥヒール35センチ

    御意見いただければ幸いです。

    • 私の感覚としては、レートが上がれば上がるほど、軽くなっていきます。
      自転車でも回転数を上げれば上げるほど、1回転が軽くなっていくように、ボートの場合も同じだと考えています。
      ただ自転車と違うのは、ボートには水と繋がる瞬間、離れる瞬間が毎回おこるので、
      自転車で言うと高速回転しているペダルを触って押す離すを繰り返すことになります。
      そうしたペダルを触る部分で、必要以上にペダルを強く押してしまうと、その衝撃で重く感じてしまいます。
      いわゆる船のスピードに合わせて漕ぐと言われるやつですが、本当に意味の分かりにくい表現だと思っていますので、自分の解釈としては、こういった表現になります。

  • 御意見ありがとうございます。
    レート(艇速)が上がるほど軽く感じるということは、中野さんはラストスパート時は
    「乳酸が溜まりつつあり身体的には苦しい+脈拍はMAXに上がっている=けれど水中は軽く感じる」
    ような感じで漕いでいるのでしょうか?

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