リギングについて、質問をもらうことが多いので
思ってること、今まで考えていたことを全部書いてしまおうシリーズ。
(なのでアップデートされる可能性は高いです)
①デプス
深い方がいいか、浅い方がいいか。
それぞれメリット、デメリットがある。
それについて。
<基本的な考え方>
深い方が、エントリー時に腰が立ちやすい。
腰が立てば、ドライブ時に腰を開けるので、より全身運動になる。
逆に腰が寝たままエントリーすると、腰の力を使えず脚力のみのローイングになり、
レースでは足が疲れやすくなる。
かといって深すぎるとボートを真横に進めることが難しくなるので、
あまり深いのは船にとって非効率。
人間にとって深い方が効率的だが、
船にとっては浅い方が効率的なので、
そのバランスをとってリギングする。
腰を寝かせたままするスポーツはない。
だが、日本人は西欧人に比べると数%腰が後傾しているらしく、
ボートのような座る種目では特に、骨盤が寝やすい。
骨盤が寝ると、多くは肩甲骨、肩周りも丸くなるので、いわゆる猫背になる。
日本人に猫背rowerが多いのは、大体が骨盤が寝ているからであり、
腰を振る力を使えず、脚力のみのローイングになり、
結果、腕漕ぎ部分が空回りしやすくなり
その空回りを止めるために大腿四頭筋が発達しやすくなる。
(骨盤はちゃんと立っているけど、背中は丸いという人もいる。
これは多分大丈夫。
骨盤が立っている、立っていない、というのは数センチの差で外からはすごく見にくい。
ただその根元の数cmの差が、扇子のように大きな動きの差につながる)
<デプスの決め方>
まず腰を立てる。
腰を立てる、というのがどういうことかわからない場合は、
椅子に座って立ってみる。
立つ瞬間に、自然と腰が立つ状態になるので、その感覚。
逆に、腰が寝ている状態は、学校の授業中に眠くなった時の腰の角度。
椅子の背もたれに寄りかかる感じ。
腰を立たせた状態で、できるだけ前に出る。
できるだけ前に出た結果、
その時にスネが垂直になっていたら、そのデプスでOK。
垂直まで届かなかったらデプスを深くする。
行き過ぎていたらデプスを浅くする。
すべての人に共通していると思うのは、
エントリー時のスネの角度が
水面に対して垂直であった方が、船は進む。
日本人は大体が垂直ではなく、つま先寄り、スタン側に行き過ぎていて
エントリーの瞬間に力をうまく水に伝えられない。
日本人が大体行き過ぎて漕いでいるのは、腰が寝ているから。
腰が寝た状態でフォワードすると、永遠に前に行ける。
だけどそれでは腰を開く力は発揮できないし、脚ばっかりが疲れることになる。
<まとめ>
とりあえず腰を立てる、
その状態で前に行って、
スネが垂直になるようにデプスを上下する。
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