乗艇トレーニングについて、
「ほとんどが低レート」
という話を前回のブログで書きました。
「ハイレートはどれだけ漕ぐのか?」という質問に対して答えるならば
基本的には「マックス15本を二回だけ」です。
※レース前になると少し変わります(後述)
日々の基本練習は全てB1、B2のレート16-18、18-20で、
最後のダウンの時に15本(できるだけマックス)を二回だけ漕ぎます。
高いレートで何本も何分も漕がない理由は
体力面では
「長時間漕ぐと乳酸が溜まって有酸素能力を下げるから」
技術面では
「何回やろうが、低レートが下手だったらハイレートはさらに下手に漕いでしまうから」
と解釈しています。
15本を二回する理由は
「大きな刺激を入れる」的な感じです。
低レートの出力は、男子でも所詮200w〜ぐらいなのでレースでの400wを超える運動を少ししないといけないのでしょう。
つまりハイレートの多用は
乳酸の問題にぶち当たり、
またハイレートの方が上手く漕げる人はいないことから
やりすぎると下手になるという問題にぶつかります。
だから15本を二回。もしくは三回。これをB6と呼んでいます。
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レース前について。
B1、B2、B6(短漕)の他に
B3、B4、B5があります。
ずーっとずーっとB1B2を繰り返す(各練習の終わりにB6)なかで、
レース二週間前から一週間前にB3、B4、
レース一週間前ぐらいにB5を二回します。
年で一番大事なレースの一週間前には2000mTTをします。
以下その説明をします。
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B3
レート24で4kmを二回します。それだけ。
普段、レート16〜18で最大心拍数の8割、18〜20で最大の9割で漕いでいるので、レート24で漕ぐとほぼ最高心拍数に近づきます。
ものすごくきついです。
B4
2000mを漕ぎます。
内訳がレート24で1000m、28で500m、32で500mです。
ラストの500m(レート32)のタイムが、レースでの平均アベレージとの相関が高いらしいです。(ラスト500が1:45だったからレースは7分00、平均1:45かな、みたいな)
B5
500mを2本。
マックス(タイムトライアル)の500mを一本と
コンスタントより速いイメージの500mを一本します。
そんな感じです。
おわかりの通り、日本でよく行われているATトレーニング(レート28〜32で3km何本)というものがありません。
お気づきになった方もいるかもしれませんが、レート28とか32とかで漕ぐ練習は全部で500mしかなく、インターバルもありません。
基本的に低レートをひたすらやり
レース前にちょこっとハイレートをする、という感じです。
「その練習で本番レート出るの?」
と思うと思いますが、当然そう思うと思います。そして今のところ自分自身まだ表現できていないという。。。
単純に考えてレート16で心拍数が8割、24で4km漕ぐと10割になりますから、
日本的なイメージでレースレートを漕ぐと心臓が飛び出る計算になってしまいます。
ですので、もしかするとハイレートはできるだけ力を抜いて、ひたすら動き続けることが重要なのではないかと今は思っています。(いわゆる「こんなに軽くていいの?」ってやつ)
日本的な(もしくは一橋的な)イメージの変換が必要なのかもしれません。
16で8割になってしまうぐらい漕ぎの密度が大きくなったのであれば、どれだけ出力しなくてもしっかり漕いでしまう。みたいなイメージなのかなと思ったり。
それはまだわかりません。
今年1月からこのメニューが始まり、着実に意味を理解しつつある、という感じです。自分自身サマになってきたな、と思うのは6月ぐらいから。
このメニューは時間がかかります。
低レートで心拍数を上げようと、最初めっちゃリキむと思いますし、めっちゃレートでなくなるでしょう。
でも遠回りが一番の近道、なのかもしれません。
世界のボートコースでレート20-22でUT漕いでる人はほとんどいません。
そういえば東大の勉強法も
「教科書が一番大事」と言っていたような。
基本ができてないのに(低レート)
問題集ばっか解いてたら(中レート、レースレート)
ある程度はいけるけど(日本レベル)
トップは行けないよ。(世界で勝つ)
みたいな感じです。
今からやって全日本に間に合うほどこの練習は適応早くないので、ぜひシーズン終了後におすすめ致します。
次は、技術編、どういうところを意識して漕ぐか、を書けたらいいなと思っています。
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