「カッコつけマン」では、いられない

Life

「うまくいってない時をブログにしてくれ。」

「うまくいってない時の文章の方が面白いから。」

とある方にそんなことを言われ、

「そんなこともあるんだな」

と思った中野です。

 

うまくいってない時期は誰かの為になっていて

うまくいっている時期は自分の為になっている、

ということでしょうか。


確かに、テニスや他のスポーツを観ていても、

気になるのは失敗した後の選手の表情、

負けている選手がそこからどう立ち直るか、だし、

個人的に、楽しい歌より悲しい歌の方が好きだ。

悲しくて悲しくて、どうしようもないから人は歌うんじゃないか、と思うから。

もちろん楽しい歌も好きだけど。

 


東京五輪が近づくにつれ、有難いことに応援してくれる人が増えて、

その分、うまくいってない時期や、葛藤や、弱い姿を

周りに見せない方がいいんじゃないか、

見せたらみんなをがっかりさせるんじゃないか、

そう思うこともまた、同様に増えました。

 

でも実際は、私を応援してくれている人っていうのはきっと、

私がテニスを観る時と同じように、

「そこからどう上がっていくか、這い上がるか」

を観たくて、上がることを信じたくて、

応援してくれているのではないかって、

勝手に都合よく解釈させてもらい始めました。

 

要は、

うまくいかない自分でも、

ちゃんと見せる勇気だとか、

それでも這い上がる信念だとか、

そういうもの。

羽生選手だったり、内村選手だったり、

ただただ輝いてる偉大な選手もたくさんいる。本当にカッコいい。

一方で、泥まみれな選手もいて、そしてそのまま泥まみれであり続けても

その泥まみれの中を突き進む姿が価値になるんじゃないか、と信じたりもする。

お前は華麗じゃない、

「お前は鰈だ、泥にまみれろよ」

というスラムダンクの名言も聞こえてくる。

 

水泳、サッカー、テニス、陸上、浪人、いろんな挫折を経験した私に

ダイヤモンドとか、天才とか、きらびやかとか、そんな言葉は似合わないし、

「泥まみれ」のほうが似合っている気がする。


そもそもスポーツをやっていて、

うまくいくことなんて基本的にはない。

1万回漕いで、1回キラリと光る何かが見つかったと思えば、

明日になったらそれを見失う。

そんな毎日を毎日過ごすのが、スポーツの世界。

それが私が選んだ世界。

ある意味失敗を前提に取り組むし、

かといって失敗を前提に取り組んじゃいけない、

そんな矛盾しかない世界になぜか惹かれて、

なぜか抜け出せずに、始めて1年で辞めてやると思ったボートをもう

12年続けてしまった。

キラリと光る何かを見つけたくて、

ただただボートを漕ぐ。

うまい言い方をすれば、

漕いだ時の波紋はすぐ消える。

すぐ消えるけど、何かしら残っている。と信じている。

ダイヤみたいな人にも憧れるけど、

人口ダイヤでもいいから

真っ黒な炭素からでもとびっきりのダイヤを作れる術をずっと探しています。

自分がボート選手として成功できれば、

もっと多くの人が光を浴びれると思うから。


今日もまた、キラリと光る何かを探しに、

頑張ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント

  1. 奥野細道 より:

    ボートは背中向きに進む
    進んでいる方向の正しさは、
    自らが立てた引き波で知り、
    今自分がいる位置は、
    横目に飛び込む通り過ぎた景色でしか、
    知りえません。

    それでも進む。
    じつは人生の歩み方、
    そのものだったりしますよね。

    人々がスポーツ選手を見て
    心を動かされることの一つに、
    先の見えない未来に、
    今の自分の一歩一歩を手掛かりにして、
    ひたむきに進む姿に励まされる、
    ことが大いにあると思います。

    華麗に勝ったように見える人もいれば、
    泥臭く勝ったように見える人もいます。
    またそれぞれに本人がそう思っていることもあります。

    花が咲くことに例えれば、
    泥の上にも蓮のような美しい花は咲きますし、
    たんぽぽのような可愛らしい花もコンクリートを突き破る強さを持ちます。
    どちらにも共通するのは根の強さでしょう。
    地上からは見えない努力の上にしか、強く美しい花も咲きません。
    また、人生において自分がどのような花を咲かせるかは、
    咲かせてみないとわからないでしょう。

    東京への努力の一歩一歩や、ありのままの自分自身に、
    キラリと光る何かを見つけ続けてあげてください。

    その努力そのものが幸せであることを願ってます。
    ご家族のお幸せもお祈りいして。

  2. こんにちは。

    勇気のいただける しかも 詩的で すてきな 文章です。ありがとうございます。

    先日 海の森のレガッタに行ってきました。いいのができました。夢はいつかそこでシンスカを。。

    赤いユニホームの一ツ橋 輝いていました。。。よ。。。

    失礼します。

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