怪我と冬と

12月の日本代表合宿中に、脇、胸、背中(全て右側)が痛くなり、

「左はまだ元気だから」と左手だけ使ってトレーニングしていたのですが、

あまりにも治らないため二週間ほど、

振り返れば高校生ぶり、約13年ぶりの何もしない正月を送りました。

本当に何もしない、ゆったりとした正月。

なのに気分は最高に落ち込んでいる正月、すまん中野家。


怪我というのは、精神を非常に参らせるもので、

怪我する前は、エルゴという陸上での漕力測定器の日本新記録も出るんじゃないか、と思って練習していたのですが、

全てのスケジュールが狂い、

そして怪我を受け入れられず怪我の回復を遅らせる自分もまた、いました。

自分が悪くなくても自己嫌悪に陥るもの、それが怪我。


怪我という現実を見たくなくて、

完全休養が遅れたのかなあと思います。

結果を出さなきゃいけないプレッシャー、

漕いでお金をもらっているという現状、

休んでいる暇はないという気持ちを、上手く対処できなかったのでしょう。


正月を過ぎてもあまりにも治らないので、先週初めてMRI検査を受け、

肋骨の脇に近い部分の疲労骨折ということがわかりました。

通常全治2ヶ月とのこと。

12月中旬になったので、純粋に完治は2月中旬。

スロベニアに行き、漕ぎ方が変わって、「疲労骨折になるとしたらココ!」という場所が

10年以上漕いでわかっていたのですが、それが新しい場所になっていました。

ある意味、良いこと。良い変化。

選考レースが3月なので、1ヶ月は準備ができるので、

その1ヶ月に全てを捧げようと思います。


怪我というのは不思議なもので、

一晩寝かせたカレーが美味くなるように、

怪我して休んだおかげで、さらに強くなっていることもある。

もちろん、怪我を機に引退する選手もいますが、

怪我を機に人が変わったように強くなる選手もいる。

要は、怪我したことそのものが善悪ではなくて、

それをどう活かすかが、今後の分かれ道なのだと思います。


その意味で、この怪我は、かなりのチャンスだと思っています。

回復してからの1ヶ月で、選考レースに勝つことができれば、

「これだけ漕がなきゃ、練習しなきゃ、強くなれない」

という自分の既成概念を、破壊することができます。

 

 

 

いつもの3分の1ぐらいの時間の中で結果を出せれば、

ボートにおいて必要な能力を

より明確に見極めることができたことになるでしょう。

「適切な時間、適切な強度、適切な練習」が分かれば、

より世界一に近づけるでしょう。

五輪で15位、日本で一番が限界だったこの既成概念を、この怪我が壊してくれます。

そして、後輩たちの学生生活に、最強のボート選手になることだけでなく、

学業や他のことをすることができる時間、体力、気力を

与えることができるでしょう。

経済では、より少ない労働で、より多くの利益を得ることを推奨しますが、

なぜか少ない練習で強くなろうとすると嫌がられるこのスポーツ界に対しても、

何か貢献できるかもしれません。


「労働生産性」ならぬ「練習生産性」というものを高めて、

より世界一に、

そして部活もできて、勉強&その他もできる、スーパーマン輩出方法会得のために

人体実験しているのだと心から思い、

今できることに最善を尽くします。

頑張ります。

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