アスリートがセカンドキャリア(引退後)について考えるのは無理だ。
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多くの人が言う。
「選手生命は短い。」
「引退後の人生の方が長い。」
だから、
「引退後何するか、考えた方がいいよ。」
多くの人がそう思うのは普通だし、彼の未来を心配する意味で大きな思いやりだと思う。
だが、アスリートがセカンドキャリアを考えられない理由が2つある。
①アスリートの考え方
①アスリートの精神面・考え方として、
アスリートが成長するためには、
「過去」や「未来」に囚われず、「今現在」 にどれだけ集中できるか
が大きな要因になる。アスリートにとって大事なのは、
「まさに今、この一球、この一打席」
であって、未来ではない。
大事なのは今であり、その連続が未来を作るのであって、
過去に縛られず、未来を心配しないで、
「今にどれだけ集中できるか、全力を尽くせるか」
それがアスリートの優劣をつけるといっても過言ではないように思う。
だから「将来どうする?」と聞いてもポカン?としてしまう。
②競技の特殊性
そのままプロ選手になる学生でない限り、
ファーストキャリア(選手)とセカンドキャリア(社会人)の直接的な繋がりはないに等しい。
「あの時の背筋力が仕事に生きた!!」ということはほとんどない。
協調性だとか、忍耐力だとか、目標達成能力だとか、体育会系出身に期待される能力は、
競技力向上の「副産物」であって、それらの獲得を目的に競技をしている選手はいないだろう。
その副産物を社会が評価するのだが、結局それは「今への集中」がもたらす。
だから「将来は?」と聞かれてもポカン?となる。
だから、
アスリートでトップを目指そうとする時の発想と、
セカンドキャリア(引退後)を考えようという発想は、精神面でも、キャリア的にも結びつきようがない。
だからアスリートがセカンドキャリアについて考えるのは中々厳しいように思う。
考え方の転換
では、どうしたらいいのか。
現実、引退後の方が長い人生において、
選手により良い未来を歩いてもらうにはどうしたらいいか。
他の方面でも「今」に集中させることのように思う。
全ての選手が24時間競技活動しているわけではない。
10時間寝たとして、3時間ご飯食べたとして、
6時間練習したとして、残り5時間ある。
この5時間していることに全力を尽くせばいい。
学校に行く時間なら全力で学校へ行く、
講義を受けるなら全力で聞き、
午後の練習について考える(未来)ことはやめる。
テスト勉強の時期ならそれに集中する。
今できること、今しかできないことに集中すれば、
必ず未来へつながって行く。
競技以外のその時間に全力を尽くしたことが、引退後のキャリアになって行く。
それは、「今に全力」というアスリートの発想と反しない。
むしろ、競技活動中だけだった「今に全力」が+5時間、倍増することによって、
さらに逞しいアスリートになるんじゃないか。
私自身、「明日体力(エルゴ)測定があるから」といって講義を休み、測定に臨んでベストが出たことはない。
明日のことを考えて自重した今日が、明日に生きたことはないのだ。
「今日ベストを尽くしたか?」
その継続が明るい未来につながるのであって、
明るい未来探しに成功した人間が明るい未来を送れるのではない。
セカンドキャリア(引退後)という発想は多分違って、
デュアルキャリアとか、3重キャリアとか、
全てのキャリアが同時進行的に行われたものが未来に繋がって行くのではないかと思う。
だから、
「今を生きろ」
そして、
「競技時間外も、今を生きろ」
それで全て解決するんじゃないか、
と思っている。
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