「迎え漕ぎを無くす」

私のボートに関する考えの根本は、

「腰を立ててエントリーしましょう」

「ドライブで腰を大いに振りましょう」

「リリースで腰をゴロンと落とさないようにしましょう」

というのが前提としてあります。

この前提が間違っていたら私の話は全部間違いというぐらい、

腰について、この考えを土台に全てを考えています。

 

その前提が正しいとしたら、という仮定の下で、以下の話をしたいと思います。

 

 

「迎え漕ぎ」を無くすために。

という話。

 

 

なぜ迎え漕ぎをしてしまうのでしょうか。

やってはいけない、と誰もがわかっていながら、

昔の私を初め、多くの方がなぜしてしまうのでしょうか。

私が思う理由は、「せざるを得ない状態だから」です。

 

ボートは、後ろに出力したら、前に戻らなければもう一本漕ぐことができません。

出力するためには、腰を大きく強く振ることが大事なのですが、

もし、その時に腰が寝てしまう、落ちてしまうと、

自分と船が完全に離れてしまい、戻ることができません。

腰を振りながらも落とさず腹で耐えれれば、船と離れず、元に戻りやすいのですが、

腰を一旦落としてしまうと、めちゃくちゃ靴を引っ張って強引に戻るしかなくなります。

結果戻るのに体力を使って、フォワード中に休むどころか、

疲労してしまいます。大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)ばかりが疲れて漕げなくなります。

 

腰が落ちている状態を直さないまま、

出力したい、けれども前に戻りたい、という時にどうするかというと、

めちゃくちゃ腕引きを強くすることで解決しようとします。

 

人間、何かを後ろに強く引っ張ると、体が前に行くようになっています。

ドライブして、体を後ろに飛ばしたい、だけど飛ばしすぎると船と離れるから、

腕引きを強くして、出力で作った体の勢いを腕引きという出力で殺して帳尻を合わせようとします。

ミドルまでは腰を後ろに振り、腕引きで腰を止めるという

加速とブレーキを組み合わせた相殺ローイングが生まれます。

エルゴで足を紐で縛らずに漕ぐと、顕著になって分かり易いと思います。

飛んでいかないために、死ぬほど腕引きを強くすると思います。

 

実際そのように漕いでいる選手にとっては、ハイレートは特に「オールを抜くのが大変」「前が重い」という感覚になります。

特にレース後半、処理のための腕引きの力がなくなってくるので、その傾向がより顕著になります。

それは、相殺するために、腰の振り、ドライブを途中でやめているので、オールが水に流され抜けなくなり、

また、無理矢理引っこ抜いているので、フォワードが人工的になり、エントリーすべきタイミングで入らず、

また後ろまで加速し切れていないので、頑張った割に進まず、重く感じます。

 

一生懸命加速すると船と離れてしまうから後ろの処理方法を低レートとハイレートで変えてしまうのは、

腰が落ちているからであって、その状態で腕引きをどう洗練させようがうまくは中々行かないと思います。

 

 

腰が落ちる、寝ている状態というのは、

地べたに横になって、いわゆる一般的な腹筋運動をした状態でリリースポジションをとった状態です。

腰が寝ていない、落ちていない状態というのは、

姿勢良く綺麗に座って

そのまま上半身を時計の針のようにそのまま後ろに傾けていった時の状態です。

前者は腹直筋(シックスパックなどと言われるところ)が主に刺激されますが、

後者はお腹全体、特に横側にきます。

ドライブを全力でやって、後者の姿勢で止まれれば、

船と離れることなく、そのままセットしてエントリーに向かうことができますが、

前者の寝た状態だと、完全に落ちているので、また戻すのに時間がかかり、

ハイレートだと特についていけません。

低レートはめちゃくちゃ速いのに、ハイレートは重くなるだけでまじできつい、

という人は、腰が落ちている可能性が高いです。

低レートはどれだけ船と離れても戻れる時間がありますが、

ハイレートは時間がなく、結局水中の時間を短くして、さらには最後のドライブを無くして、

レートを出そうとするので、スピードが思うように上がりません。

 

できるだけ、腰を振って、ドライブする、

それでも寝ない、落ちない、

そのために体幹トレーニングがとても必要となってきます。

もっともっと、ハイレートでも後ろまで押し続けたい時、

自分の腰が寝ていないか、落ちていないか、チェックしてみてください。

(文字ばっかりですみません)

 

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