良い自分と悪い自分。

Rowing

2000m7本(SR22)並べ、オープンの選手と。

きつかった。

鬼のようにきつかった。

おそらく一人でこの練習をやれば、「純粋にきつい」で終わるメニューなんだろうけど、

並べ、競争でやると鬼のようにきつくなる。

一漕ぎ一漕ぎで差が詰まったり、離されたりするから、気が抜けず力が抜けず、

ずっときつい。しかも相手速い。

最初の2、3本ぐらいでギブアップを脳が宣言したが、

ごまかしごまかし7本完遂できたのは本当に良かった。嬉しかった。

 

強くなった。と思う。

 

多分自分の脳みそは、

実際の体力の6割ぐらいで「もう無理です」と言い始める。

水戸黄門の「もういいでしょう」のような声が

偉そうに自分の頭の中を駆け巡り、

「これぐらいの強度がちょうどいい、あんまり無理してもダメだ、今日はそういう日だ」

などとそれっぽく解説し始める。

 

でも、わかってるんだ。

その解説が、嘘だということ。

あと4割はいけるんだということ。

 

自分を信じるとかじゃない。

stopを偉そうに賢そうに言ってくる中野という紘志を

シカトするだけ。

きついときに意味なんて考えたら負ける。

途中で止まって、何分後かに後悔するだけ。

 

自分でメニューを作るとそれが難しい。

「このメニューは失敗なんじゃないか」

そんな考えが、練習中に偉そうな中野という紘志を呼んできてしまう。

それにスロベニアに来て気づいた。

 

元々、合理的とか、経済的とか、そんなものは練習に必要ない。

気合いだけ。

きつい、辞めたい、

そう思ったときに、あと何歩いけるか。

自分がどれだけ自分に嘘をつき、

どれだけ自分を小さな人間だと解説してくるか。

それを毎日覆していくことが、

強くなること、であり、

強くなったという実感を連れてくるのだと思う。

誰もが自分の中に自分という詐欺師を抱えてる。

そいつに明日も騙されませんように。

そう願いながら、大きな希望を持って寝る。

 

嘘つき、反対。

 

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